車高調リフレッシュ(フロント編) [メンテナンス&チューニング]
ダンパーのOHが完了し、手元に戻って来たので車高調を交換します。
今回は、ピロボールやその他の部品も交換やメンテもするので、通常より作業量が増えます。
なので、フロントとリヤの作業を日を分けて作業します。
今仮足として使用している車高調(2) *1)を外して今回OHした車高調(1) *1)のダンパーで車高調を組み、車に装着します。
*1)表記の定義は過去記事 「色々」 (2011-10-31)参照
せっかく車高調が2セットあるので、なるべく双方の部品のいいトコ取りで組んでいくことにします。
また、ピロボール交換と共に、ピロアッパーに使われているネジも新品に交換します。
交換用に用意したネジ類も入手するに至るまで色々あったので後日記事にしたいと思います。
フロントのいいトコ取りの結果としては、ピロアッパーのプレートのみ車高調(2)の物を採用し、その他は車高調(1)の物を採用。
車高調(2)は分解する過程での観測、ならびに前オーナーの使用車がEVO-5であることから、車高調(1)より古い物と見られ、プレート以外のパーツは車高調(1)の方が良い、あるいは同等でした。
ダンパーOH中に、車高調(1)の他の部品は、分解掃除を行ってあります。
車高調(2)も、今回車から取り外し、同様に分解掃除を行います。
が、車高調(2)は、ピロナット(ダンパーとピロボールを接合しているナット)が固着していてハンドツールでは緩められない。
ダンパーにはなるべく使いたくないのだが、電動インパクトレンチで対応。OH前のダンパーだからいいよね(誰に言っている?)。
今回は、前述の通りピロアッパーのOHを行ったので、以降その作業をメインに話を進めます。
ピロアッパーの分解工程と部品構成です。
これがピロアッパー。マクファーソンストラット形式サスペンション用で、キャンバー調整機能が付いています。
左右中心の黒っぽい部分がピロボディで、3本ボルトが生えている金色の切欠き円形の板がプレート。
プレートの左右方向真ん中とその両側の3つの長円穴の長さの範囲で、プレートとピロボディ&ボルトをスライドさせる事でキャンバー角が調整出来るようになっています。
プレートの2つの細長い穴に取り付けられた4本の6角穴付きボルト(通称:キャップボルト)はピロボディと一緒にスライドし、ピロボールの位置(キャンバー角)が決まった所で締め込み、プレートとピロボディを固定するという構造になっています。
キャップボルト4本(下)を外すとプレート(左)とピロボディ(右)が分離できます。
更にピロボディはアッパーボディ(左)とロワボディ(右)が2本の6角穴付き皿ネジ(下)で固定されており、このネジを外すとピロボディが分離し、中のピロボール(上)が取り出せます。
とまあピロアッパーの構成はこんな風になっていて、車高調(1)は新規手配した新品ネジを使用して仮組状態にしていました。
(新品のピロボールはこの時点ではまだ装着せず)
今回車から取り外した車庫調(2)も分解して、車高調(1)の部品と比較、その結果採用した部品は前述の通り。
唯一車高調(2)から採用したプレートの比較。右が車高調(1)用、左が車高調(2)用。
ピロボディ固定用のボルトを通す細い長円穴を見ると明らかに(1)の方が傷が多い。
拡大してみると、
車高調(1)用
長円穴の両側がボルトで押し潰され、コーティング剥げや変形が随所に見られます。
車高調(2)用
4箇所にかすかに傷はあるものの、状態は車高調(1)用に比べ圧倒的に良好。
更に、それぞれのキャップボルトを比較。このキャップボルトはワッシャー(座金)一体型です。
右が車高調(1)用、左が車高調(2)用。(この写真でお分かり頂けるだろうか?)
右の車高調(1)は、ボルトの頭がワッシャーに食い込み、ワッシャーもテーパー状に変形。
このテーパー状に変形したワッシャーがプレートの長円穴をも変形させている。
通常ボルトとワッシャーの間には少しガタがあるのだが、食い込んでいて全く動かない。
ネジの軸応力にワッシャーが完全に負けている。
左の車高調(2)はワッシャーとしての体裁は残っており、使おうと思えば再利用出来るレベル。
飽くまで「使おうと思えば」である。
この差はすなわち、キャンバー調整を行った履歴を現しています。
車高調(1)は何度もキャンバー調整しているのは周知のこと。
車高調(2)は恐らく一度もキャンバー調整していなかったに違いありません。
しかし、今回程度の良いプレートに切り換えてもこのキャップボルトを使う限り、例えそれが同型の新品でも車高調(1)用と同じ事が起きる事は自明である。
だって、サーキット走行する上で、キャンバー調整を行わないことなどあり得ないんだから。
(街乗りだってある程度は調整しておきたい)
ということで、ボルト&ワッシャーは、自分で選定したオリジナルの物を検索・手配。
特にワッシャーは、ボルトの陥没防止の為、強度とサイズがなるべく大きい物という観点で調査。
元のボルトは、私が調べた限りでは市販では見つからず(メーカー特注?)、何とか探し当てた同等の別物を選定・手配。
ワッシャーは高強度の厚さ1.6mm,外径12mm物と、強度指定なし厚さ1mm,外径16mm品の2枚重ねとした。
高強度で外径の大きい物があれば良かったのだが見つけられず、やむなく2枚重ねという結論に至った。
比較の為に、それぞれのボルトを対角状に配置してみました。
右上と左下が元のボルト、左上と右下がオリジナル。
こうして見ると、オリジナルは小径ワッシャーが回転方向の応力を受け、大径ワッシャーが軸方向の応力を分散し、それぞれが役割を分担しているようで意外に悪くない様な気がする。
そう考えればワッシャーのサイズも程よい感じ。足りない頭で考えた割りには、意外と良かったりして?
いや、ここに潜む大きな問題に気づかないぐらい足りない頭だったという可能性もあるが、果たして・・・。
注意すべきポイントは、中~長期間使用時におけるキャップボルトの緩み、サーキット走行における強度確認といったところか。
細かい点としては、元のキャップボルトと今回採用のキャップボルト、共に詳細な材料成分が不明な為、電食発生有無の確認も要す。
(元のボルトはステンレス材と判断し、オリジナルではステンレスの同強度の物を選定したのだが、その差の影響は未知)
新しいピロボールも組み込んでピロアッパーのボルト類も本締めしていく。キャップボルトを締めつける際には明らかに剛性UPしている事が感じられた。
これでピロアッパーのOHもひとまず完了。
そして車高調を組み上げて車に装着し、フロントの作業は終了。
ここまでの作業で、パーツクリーナーが底を突いたので、この状態の車で買い物に出かけました。
フロントのサスペンショは完璧にその機能・性能を取り戻していることを実感することが出来た。
フロントが良くなった分、まだ交換していないリヤサスの劣悪さも際立っている。
次は、リヤサス。これが終われば、ほぼ完成となる。
もうちょっとだ、ゆっくり落ち着いてガンバレ俺!
今回は、ピロボールやその他の部品も交換やメンテもするので、通常より作業量が増えます。
なので、フロントとリヤの作業を日を分けて作業します。
今仮足として使用している車高調(2) *1)を外して今回OHした車高調(1) *1)のダンパーで車高調を組み、車に装着します。
*1)表記の定義は過去記事 「色々」 (2011-10-31)参照
せっかく車高調が2セットあるので、なるべく双方の部品のいいトコ取りで組んでいくことにします。
また、ピロボール交換と共に、ピロアッパーに使われているネジも新品に交換します。
交換用に用意したネジ類も入手するに至るまで色々あったので後日記事にしたいと思います。
フロントのいいトコ取りの結果としては、ピロアッパーのプレートのみ車高調(2)の物を採用し、その他は車高調(1)の物を採用。
車高調(2)は分解する過程での観測、ならびに前オーナーの使用車がEVO-5であることから、車高調(1)より古い物と見られ、プレート以外のパーツは車高調(1)の方が良い、あるいは同等でした。
ダンパーOH中に、車高調(1)の他の部品は、分解掃除を行ってあります。
車高調(2)も、今回車から取り外し、同様に分解掃除を行います。
が、車高調(2)は、ピロナット(ダンパーとピロボールを接合しているナット)が固着していてハンドツールでは緩められない。
ダンパーにはなるべく使いたくないのだが、電動インパクトレンチで対応。OH前のダンパーだからいいよね(誰に言っている?)。
今回は、前述の通りピロアッパーのOHを行ったので、以降その作業をメインに話を進めます。
ピロアッパーの分解工程と部品構成です。
これがピロアッパー。マクファーソンストラット形式サスペンション用で、キャンバー調整機能が付いています。
左右中心の黒っぽい部分がピロボディで、3本ボルトが生えている金色の切欠き円形の板がプレート。
プレートの左右方向真ん中とその両側の3つの長円穴の長さの範囲で、プレートとピロボディ&ボルトをスライドさせる事でキャンバー角が調整出来るようになっています。
プレートの2つの細長い穴に取り付けられた4本の6角穴付きボルト(通称:キャップボルト)はピロボディと一緒にスライドし、ピロボールの位置(キャンバー角)が決まった所で締め込み、プレートとピロボディを固定するという構造になっています。
キャップボルト4本(下)を外すとプレート(左)とピロボディ(右)が分離できます。
更にピロボディはアッパーボディ(左)とロワボディ(右)が2本の6角穴付き皿ネジ(下)で固定されており、このネジを外すとピロボディが分離し、中のピロボール(上)が取り出せます。
とまあピロアッパーの構成はこんな風になっていて、車高調(1)は新規手配した新品ネジを使用して仮組状態にしていました。
(新品のピロボールはこの時点ではまだ装着せず)
今回車から取り外した車庫調(2)も分解して、車高調(1)の部品と比較、その結果採用した部品は前述の通り。
唯一車高調(2)から採用したプレートの比較。右が車高調(1)用、左が車高調(2)用。
ピロボディ固定用のボルトを通す細い長円穴を見ると明らかに(1)の方が傷が多い。
拡大してみると、
車高調(1)用
長円穴の両側がボルトで押し潰され、コーティング剥げや変形が随所に見られます。
車高調(2)用
4箇所にかすかに傷はあるものの、状態は車高調(1)用に比べ圧倒的に良好。
更に、それぞれのキャップボルトを比較。このキャップボルトはワッシャー(座金)一体型です。
右が車高調(1)用、左が車高調(2)用。(この写真でお分かり頂けるだろうか?)
右の車高調(1)は、ボルトの頭がワッシャーに食い込み、ワッシャーもテーパー状に変形。
このテーパー状に変形したワッシャーがプレートの長円穴をも変形させている。
通常ボルトとワッシャーの間には少しガタがあるのだが、食い込んでいて全く動かない。
ネジの軸応力にワッシャーが完全に負けている。
左の車高調(2)はワッシャーとしての体裁は残っており、使おうと思えば再利用出来るレベル。
飽くまで「使おうと思えば」である。
この差はすなわち、キャンバー調整を行った履歴を現しています。
車高調(1)は何度もキャンバー調整しているのは周知のこと。
車高調(2)は恐らく一度もキャンバー調整していなかったに違いありません。
しかし、今回程度の良いプレートに切り換えてもこのキャップボルトを使う限り、例えそれが同型の新品でも車高調(1)用と同じ事が起きる事は自明である。
だって、サーキット走行する上で、キャンバー調整を行わないことなどあり得ないんだから。
(街乗りだってある程度は調整しておきたい)
ということで、ボルト&ワッシャーは、自分で選定したオリジナルの物を検索・手配。
特にワッシャーは、ボルトの陥没防止の為、強度とサイズがなるべく大きい物という観点で調査。
元のボルトは、私が調べた限りでは市販では見つからず(メーカー特注?)、何とか探し当てた同等の別物を選定・手配。
ワッシャーは高強度の厚さ1.6mm,外径12mm物と、強度指定なし厚さ1mm,外径16mm品の2枚重ねとした。
高強度で外径の大きい物があれば良かったのだが見つけられず、やむなく2枚重ねという結論に至った。
比較の為に、それぞれのボルトを対角状に配置してみました。
右上と左下が元のボルト、左上と右下がオリジナル。
こうして見ると、オリジナルは小径ワッシャーが回転方向の応力を受け、大径ワッシャーが軸方向の応力を分散し、それぞれが役割を分担しているようで意外に悪くない様な気がする。
そう考えればワッシャーのサイズも程よい感じ。足りない頭で考えた割りには、意外と良かったりして?
いや、ここに潜む大きな問題に気づかないぐらい足りない頭だったという可能性もあるが、果たして・・・。
注意すべきポイントは、中~長期間使用時におけるキャップボルトの緩み、サーキット走行における強度確認といったところか。
細かい点としては、元のキャップボルトと今回採用のキャップボルト、共に詳細な材料成分が不明な為、電食発生有無の確認も要す。
(元のボルトはステンレス材と判断し、オリジナルではステンレスの同強度の物を選定したのだが、その差の影響は未知)
新しいピロボールも組み込んでピロアッパーのボルト類も本締めしていく。キャップボルトを締めつける際には明らかに剛性UPしている事が感じられた。
これでピロアッパーのOHもひとまず完了。
そして車高調を組み上げて車に装着し、フロントの作業は終了。
ここまでの作業で、パーツクリーナーが底を突いたので、この状態の車で買い物に出かけました。
フロントのサスペンショは完璧にその機能・性能を取り戻していることを実感することが出来た。
フロントが良くなった分、まだ交換していないリヤサスの劣悪さも際立っている。
次は、リヤサス。これが終われば、ほぼ完成となる。
もうちょっとだ、ゆっくり落ち着いてガンバレ俺!
2011-12-29 09:27
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